エピローグ 白


空も地面も、これから色んな色(ミライ)に
塗られるために。
まるで、一面に白い彼岸花が
咲いているかのように。
全てが白く染まっていた。
そんな空間の真ん中に、一人の女がいた。
白く長い髪を風に揺らし、
赤い瞳は赤い涙で霞んでいる。
彼女はかすれきった声で、
一文字ずつ口を動かす。

「さよなら」